私は、●●に入会した直後は引く手数多というか、かなり多くの男性からデートを申し込まれていました。

最初の1ヶ月で10人近くと会ったと思います。

実際にデートに行ったのは7人ほどです。

その中の1人、Rさんと仲良くなりました。

Rさんは積極的な方で、40代とは思えないほど童顔で、スポーツをやっていることもあり爽やかで、最初から好印象でした。

なぜ40代になっても独身でいるのかわからないほど、容姿も良くて女性の扱いもスマートでした。

ですが、2回目のデートの約束をした時に、「母を連れてきていいか」と聞かれたのです。

「あ、これが結婚できない理由かあ」と悟りました。

母親が過保護で、学生の時からデートについてくるそうです。

それが40代まで続いているのが結婚できない理由だと、Rさんは何度も母親に言ったらしいのですが、母親が経営する会社で仕事をしているため、頭が上がらないとか。

困り果てているRさんが気の毒に見えて、私はデートにお母さんを連れてくることを承諾しました。

数日後、RさんとRさんの母親、私の3人でホテルのラウンジでお茶をしました。

Rさんのお母さんは、化粧品の会社を経営していると言っていました。

実際に会ってみると、彼の母親は上品でお洒落な方でした。

デートに乗り込んできたことを丁寧に詫びられた時は、イメージしていた人物像とギャップがありすぎて困惑しました。

しかも、博識で話題が尽きず、話し方も上手ですっかり引き込まれてしまいました。

私が22歳で婚活していることや、Rさんとの年の差についても、理解を示してくれました。

Rさんのお母さんは、10代で未婚の母となり、生まれつきアレルギーがあって体が弱かったRさんを女手一つで育ててきたそうです。

正直、Rさんとの会話より遥かに楽しい時間を過ごしました。

二人の生い立ちを聞いている時などは、涙を堪えきれませんでした。

そういうわけで、Rさんのお母さん、Yさんと私はすっかり仲良くなってしまい、Rさん抜きで会うこともしばしばありました。

Rさんは他に気になる女性ができたようで、私とは会わなくなっていましたし、私も婚活を続けていました。

そんな中、私は大学卒業を間近に控え、就職先が決まらず困り果てていました。

Yさんに相談したところ、「じゃあ私の会社で働けばいいじゃない!」と明るく提案してくれました。

息子の婚活相手を快く受け入れるその度量、そして私のことを信頼してくれる優しさに惹かれて、Yさんの会社に就職を決めました。

親戚や両親からは反対されましたが、楽しく仕事もできました。

Rさんも同じ会社で働いているので、毎日顔を合わせることになりましたが、Rさんもあっけらかんとした人なので、他の従業員と同じように接してくれました。

私が就職してからも、Rさんは複数の結婚相談所に登録し、婚活を続けていたようです。

そしてYさんもデートについていくスタイルは曲げなかったようです。

そんなわけでRさんは、うまくいかないことのほうが多かったようですが、二人とも私に結婚してくれとほのめかすこともしなかったのは、ありがたいなと思います。

単に私に、女としての魅力がなかったのだとは思いますけれど。

私ものんびり婚活パーティに参加したり、お見合いをセッティングしてもらったりしていたのですが、知人に紹介された男性に交際を申し込まれたことをきっかけに、●●を退会しました。

正直にRさんとYさんにそのことを報告したのですが、二人ともとても喜んでくれました。

Yさんは行きつけのフレンチで御馳走してくれました。

デート先に母親がついてくる、という話は、笑い話やありえない話として語られますが、私の場合、とてもいい運に恵まれたなあと感謝しています。

コロナ不況で事業を小さくするしかなくなってしまい、私は円満に退職しましたが、いまだに二人とは連絡を取り合って、この危機を乗り切ろうねと話しています。